· 

老大学生奮闘記#10 力の差は文化の差

 

 力の差は文化の差でもあります。江戸時代までの日本に文化がなかったということではありません。侘び寂の文化は日本人に豊かな感性を生みました。

浮世絵はヨーロッパに持ち込まれ印象派に驚きをもって迎えられました。寺子屋の教育は欧米のそれをはるかに超えていました。にも拘らず、蒸気機関を装備した船の威力は鎖国の眠りを覚ますに十分でした。

 

 幸いにして旧約聖書には古代文明の盛衰がかなり正確に記録されています。そこには「シンアル」(すなわち「シュメール」)と言うところに人々が集まってきたことが記されています(創世記11章1,2節)。シュメール人とは謎の民族です。

 

 人類は600万年前にチンパンジーとは別の道を歩み始めたと言われていますが、本当かどうかは僕には分かりません。聖書にはこうした情報はなく、ただ十数代前にアダムとエバと言う両親がいたとあります。一方は科学的知見と言われており一方は神話と言われています。

 

 ところが紀元前5000年前位に突如メソポタミヤ平原に20メートルの塔を建てるほどの文明が現れたのです。聖書ではこれは「バベルの塔」と呼ばれます。またこれと並行してナイル河畔にエジプト文明が現れます。エジプトは馬を駆動力とし版図を広げました。

 

 エジプトはモーセが出エジプトを成し遂げたことで知られていて、聖書歴史では馴染みです。最後の王はクレオパトラと言われていますが、実はその前に古エジプトと言うのがあって、前8世紀に興隆し始めたアッシリア帝国に滅ぼされました。この国を帝国へと伸し上げたのは鉄器の使用でした。これは一歩先に出た文明の力でした。アッシリアは武器の機械化に成功したバビロニアに敗れ、バビロニアは法を整備し秩序正しい国家形成に成功したペルシャに瞬く間に滅ぼされました。

 

 ペルシャを破ったのはマケドニアから台頭したアレキサンドロス大王ですが、このことについては次回に述べることにします。

 

         協力牧師 Amos (A.S.S.)